2019/01/26 00:10
金属加工の醍醐味 ー鍛金ー
材料を思い通りに切ることができたら、次は金槌で叩いて形を整えていきます。この作業は鍛金(タンキン)と呼ばれ、叩く槌の種類や加工の方法も様々です。金属を叩くことで形を成型すると共に強度を与えていきます。
作品を叩きながら形にしていく
ハンマーを打つ力加減や回数に関しては「感覚」を手に入れるしかありません。要は慣れです。
金属の種類やその厚さによっても伸び方が異なりますし、熱した状態の物を成型していくのであれば力加減を変えて作業をしていきます。
使用するのは金槌や木槌。その形状によって金属側に模様が付けられていくものもあります。
金属を光沢のまま仕上げたい場合などは硬質ゴムや木槌で成型していきます。
多くの作品を作っていくウチに、金槌を持つ手に伝わる手応えや金属を叩いた際の音で加減が出来るようになっていきます。
初心者のころは金属の曲りやねじれを直したり、また曲げたい箇所の調整に苦労した思いがあります。
加工する土台も様々
素材を叩く上で重要な物がもう一つ。当て金と呼ばれる土台部分です。
こちらも多くの形状が存在し、小型から大型の物。球体や曲面を作るための形もあります。
職人の方はもちろんそうですが、素人同然の私でも当て金に関しては自作したものを使用しています。(作成する商品によって最適な形状が必要となるため)
基本的な当て金は写真のような水平なアンビルがホームセンターでも販売されています。
金属に表情をつける
前回切り出した真鍮板をハンマーで叩いたものです。
今回は芋槌と呼ばれる小ぶりの金槌を使用。
叩いた金属の表面にハンマーの跡が残り、鈍く光を反射する仕上げを目指します。
これは槌目模様と呼ばれる基本的な加工です。
さらにサークルの中心を細目の槌で叩いて凹を付けることで、陰影が加わりました。
仕上げ、そして製品へ。
あとは必要な穴を空け、余計なバリを取っていく作業です。